「両刃の剣を握る」(4)

      † どんでん返し。
 コロナウイルスによるバンデミックが三年に及んで、未だに終息のめどが立たない。全世界で627万人もの人が亡くなった。人間の文明が進むことによって、地球の自然環境は侵食され、破壊されてきた。自然の環境の中に息づいていた原生ウイルスは、破壊者によって目ざめるに至る。ウイルスの逆襲が人類を襲うわけである。このようなことは、これからも起こることに違いない。人間は被った打撃にはしばらくは静かにするが、またもや欲望に駆(カ)られて動き出してしまうのである。甘い汁を求めることは、両刃の剣となる、自分も大きく傷つくリスクを背負うことだ。オゾン層の破壊現象も、人間の消費文化と利便性を優先する人間の欲望が生みだしたものである。自然環境を侵略すれば、その、お返しが必ずある。日本が、時の勢いにまかせて侵略戦争を起こしたが、その、どんでん返しは、いかほどに大きな代償であったか。ロシアのウクライナ侵攻によって、どれ程の代償を負わなければならないか見物である。

     † 車輪は回転する。
 車輪の頂点にある所は、一回転すると最も低い位置(下)になる。その逆も然りで、最も下にある所は頂点に達する。世の中を見渡せば、このような現象が人生に起こる出来事だとわかる。「私は奴隷たちが馬に乗り、君主たちが奴隷のように地を歩くのを見た」 伝道10・7)賢いソロモン王はこの現実を見て、戸惑いを感じたのだ。第一に不条理過ぎる。しかし、現実に、ずる賢い者が世の中の高い地位について、時代のために有能な人が、かえって日陰の目立たない所に置かれる。だが、全世界の神であり全能者は、時が満ちるまで、ご自分のしもべである私達の中に働いて、ご自身を現される。まことに、神に選ばれた私達が、王として、祭司として「神の国」を築き上げているのである。間もなく、王の王のキリストが王座につかれる。そのために、私達はキリストの来臨に備えているのである。今や栄華を誇るサタンの支配も、終わりに近いのだ。私達は、キリストに義とされた兵士でもある、聖なる武具を身につけ、惜しみない名誉と価値を与えられ、信仰に立って歩みを続けている。そして、神の摂理の車輪は確実に頂点に向かって動き続けているのである。

「両刃の剣を握る」(4)